京都市生物多様性総合情報サイト 京・生きものミュージアム

京都市

新着情報

2016.10.26

「第8回 藤袴と和の花展」を訪問しました。(平成28年10月4日)

「藤袴と和の花展」について

 「藤袴と和の花展」は,公益財団法人京都市都市緑化協会とKBS京都の共催で平成21年から始まった,梅小路公園「朱雀の庭」における和の花(※)の展示会です。原種の藤袴(フジバカマ)をはじめ,希少になりつつある山野草等の和の花を紹介することで,自然環境保全の大切さを訴えるために開催されています。

※ ここでいう「和の花」とは,①古くから自生している植物,②江戸時代までに渡来し,長年にわたり日本の風土の中で育ってきた植物,又は,③伝統的な園芸技術で育てられてきた植物のことを指します。近年は,都市化の進展や外来種の繁殖により,①,②については,種によって絶滅の危機に瀕しているものもあります。このほか,明治以降に入ってきた植物で和の花のイメージに近いものも展示されています。

「フジバカマ」について

 フジバカマ(藤袴)とは,日本では奈良時代から親しまれていた花で,秋の七草の一つです。園芸種は多く出回っていますが,自生種は環境省のレッドリストでは準絶滅危惧(NT)種,京都府では絶滅寸前種に選定されいています。また,このフジバカマの花には,海を隔てた地域にツバメのように「渡り」をする珍しいチョウ,アサギマダラが蜜を求めてやってきます。

 現在,本市が策定した「京都市生物多様性プラン」に基づく「京の生きもの・文化協働再生プロジェクト認定制度」において,多くの方がフジバカマの保全活動に取り組んでいます。

梅小路公園「朱雀の庭」訪問

 今回は,平成28年9月22日(木)から10月10日(月)までの間に開催された「第8回 藤袴と和の花展」を訪問してきました。

フジバカマに飛来したアオスジアゲハ

 展示会場である「朱雀の庭」を目指して梅小路公園内を歩いていると,会場の外にもフジバカマの鉢がずらりと展示されていました。そこには,まるで我々の訪問を出迎えてくれているかのように,青空のように澄んだ美しい色の模様を持つアオスジアゲハが敏捷にその翅をはためかせ,蜜を味わっていました。

 美しいチョウたちの飛来に胸をときめかせながら入場すると,普段は四季折々の花や景色を水面に映し込む水鏡(※)に,400鉢を超える一面のフジバカマが展示され,数多くのチョウたちが,フジバカマの花の蜜を求め集まっていました。

 ※ 黒御影石の上に1cmだけ水を張り,水面を鏡のように見せるという斬新な手法を取り入れた池です。

 この日,フジバカマに引き寄せられて,特に数多く飛来していた「ツマグロヒョウモン」を御紹介します。

ツマグロヒョウモン(オス)

 ツマグロヒョウモンは,冒頭で紹介したアオスジアゲハと比べると,翅の動きが遅く,近くでもじっくりと観察することができました。

ツマグロヒョウモン(メス)

  メスの個体は,前翅の先端が黒く,オスとは見た目が大きく異なります。

 この日,初めて和の花展に訪れた参加者は,「フジバカマ自体,初めて見ました。来てよかったです。」と,その美しさにうっとりと見入っておられました。

  

 

 最後に・・・

 自生種のフジバカマを保全する取組は,本市の伝統文化を育んできた本市固有の生態系を保全するという観点からとても重要であり,また,それを多くの市民に知っていただく機会をつくることは,市民の皆様に生物多様性を理解していただき,行動するきっかけをつくるという意味でも非常に重要です。

 今回のように,初めてフジバカマを見る方でも興味を持てるよう思考を凝らした展示会は,とても意義深い取組であると感じました。

 これらの活動は,本市が平成26年3月に策定した「生物多様性プラン」に掲げる施策の方向性とも,まさに合致するものであり,同プランでも重点的に推進すべき取組の一つです。本取組が今後も継続的に実施され,より多くの市民の皆様が生物多様性に興味を持っていただけるきっかけとなることを願います。

 

ページの先頭へ戻る