京都市生物多様性総合情報サイト 京・生きものミュージアム

京都市

新着情報

2017.6.30

「市民カレッジ 伝統文化と生物多様性 in 京都」が開催されました。(平成29年6月24日)

 公益財団法人日本自然保護協会が実施している「NACS-J 市民カレッジ」(通称Nカレ)は,自然に関する各分野のスペシャリストが講師を務め,多くの人に「生物多様性」に関心を持ってもらうことをコンセプトとしている市民向け講座です。52回目となる今回は,出前講座として京都の法然院等で開催されました。

 また,本講座は,フィールドソサイエティーの共催で開催されました。フィールドソサイエティーは,法然院と市民との協働による,環境学習を通じた環境共生型の地域づくりを目指す活動を長年続けており,昨年度には,日本自然保護大賞と京都環境賞を受賞しています。

 

 今回のテーマは,「伝統文化と生物多様性」です。

 第1部として,伝統文化を通して生物多様性を考えるためのワークショップ「外来種いけばな」,第2部として「社寺の森にみる生物多様性」をテーマに講演と自然観察会が開催されました。

 ここでは,第2部の様子を紹介します。

 第2部の始めは,日本自然保護協会の道家さんから,生物多様性の恵みについて御講演いただきました。「生物多様性」という言葉自体は難しく聞こえますが,その恵みは身近なところで感じることができることを教えていただき,あらためて生物多様性について学び,そして,生物多様性を守るために自分にできることを考えるきっかけとなりました。

 続いて,京都大学名誉教授の渡辺先生から,「社寺の森にみる生物多様性」をテーマに御講演いただきました。生物多様性の保全に影響を持つ社寺の森について,その歴史を紐解きながら,現状と今後のあり方についてお話しいただき,社寺の森が果たす役割やその大切さ,「森」と「林」との違いなど,様々なことを教えていただきました。

講演の様子

 ここで少し休憩ということで,お茶と和菓子をいただきました。本日の和菓子はチマキザサで包まれた麩まんじゅうです。京都の文化の一つである和菓子には,粽,ヨモギ団子,桜餅,柏餅などのように植物と関わりの深いものが多くあり,生物多様性の恵みを感じることができます。本講座のテーマを味覚でも学ぶことができる休憩時間となりました。

京菓子の老舗「甘春堂」の麩まんじゅう

 最後は,フィールドソサイエティーの久山先生の案内により,実際に法然院の森を歩いて,自然観察を行いました。庭に出ると,様々な鳥の声を聞くことができ,モリアオガエルの卵塊を見つけることができました。そして,森を歩きながら,樹木や苔についての解説や,アオバズクやムササビなどこの森で見られるたくさんの生きもののお話を聞きました。お寺の森に,こんなにたくさんの生きものが生息していることを知り,生物多様性を体感することができました。

フィールドソサイエティー代表 久山先生による解説
モリアオガエルの卵塊
出迎えてくれたモリアオガエル

 

 1200年余の歴史を持つ京都には,数多くの文化財,社寺などの歴史的・文化的資産があり,社寺林などの緑地は,生物多様性の保全上,重要な役割を果たしています。また,京都の祭りや伝統行事,文化や工芸も,生物多様性の恵みを利用し,発展してきました。このように,京都の文化や暮らしと生物多様性は深く関わりあっています。

 京都市が平成26年3月に策定した「京都市生物多様性プラン~生きもの・文化豊かな京都を未来へ~」(※)は,自然・環境と共生し,その恵みにより魅力的な文化を築き上げてきた京都の歴史を踏まえ,生物多様性と京都の文化との関わりに重点を置いたものになっています。

 今回の講座は,第1部では20名を,第2部では80名を超える方が参加されたとのことで,多くの方にとって京都の伝統文化と生物多様性との深い関わりを考えるきっかけになったのではないでしょうか。このような有意義なイベントにより,京都の生物多様性を多くの方に知っていただき,保全の取組が推進されることが期待されます。

 

※ 「京都市生物多様性プラン~生きもの・文化豊かな京都を未来へ~」とは,京都ならではの自然環境や伝統文化を後世に受け継いでいくため,目指すべき生物多様性保全の方向性を示すものです。詳しくは,以下のホームページを御覧ください。

http://www.city.kyoto.lg.jp/kankyo/page/0000164243.html

 

ページの先頭へ戻る